『 ブラインド・ポイント ! 』 (1-7)
2017年8月11日 リステラス星圏史略 (創作)ロルー刑事、ディーム班長、非常部隊(レンジャー)の乗員(クルー)たちと、仕方がないので全員が銃を放り出す。
すると何を考えたのか青い髪の奴がつかつかと、一番先行していたディームの眼へ歩みより…
いきなり、張り飛ばした。
「ぅわっ!!…」
大の男が横ざまにぶっ倒れる。
うっそォ…
だって青い髪(あいつ)、背ばかりはひょろりと高いけど、ずいぶんと瘠せて見える…
のに。
「連盟保安局に化けて来るなんざ、まったく度胸のいい真似をしてくれたじゃないか、えぇ。わざわざ海賊船と鬼ごっこのフリまでして。
奈辺(どこ)の指し金だ!? それとも、おまえら自身の計画かよ。」
「へっ。…」
………え?
「ばっくれるもんじゃないぜっ!」
ディーム、起き上がるところを、もう一発っ
「で~~~っっ」
『なにをするのよっ!?』
やっとあたしは叫んだ。
「こらこらレイっっ! またすぐ過激にはしるっ」
「……ちゃんと素手で殴ってるだろーが。」
物騒きわまりなく光をはじく金色の瞳が不満そうに、だけどすこし和んで、あたしの後ろのコに向けられた。
「ひとりふたりブチ殺したところで文句つけるのはサキ(あんた)くらいのもんだぜ。」
どうやらリーダー格は青い髪の方ではないらしい。
レイと呼ばれた奴(の)があたし達の武装解除を手際よく確認して歩くあいだに、ホールドアップさせられたまま首をひねって、あたしは" サキ "とかいう方を睨みつけた。
女としては平均身長のあたしよりも頭ひとつばかりは背が高い。
見慣れない淡灰色の不思議な髪をふさふさした長めのポニーテールに結って、それとは別に斜めわけにした前髪が顔の左半分に深く…ほとんどあごを越すあたりまでかかって、片方の眼をうすくぼやかしている。
あでやかに光を吸いこみ放つ、右側だけの明るい灰色の瞳。
見事に均整のとれた腰細のプロポーション。
落ちつきはらって、よほど場数を踏んだらしい、毅然とした態度。
………そうね。
これなら実際、あと10年もすれば、たいした女海賊に、それとも大頭目にだってなれるかも知れない。
だけど…
今現在、このコをどう見たっても、未だに16~17歳の小娘なのよ!
どんなに引き締まった体格を誇ろうと、頬や肩には子供こどもした線の細さが残っているじゃないのっっ!!
「…う~~~っ。」
この" 走りっぱなし "アリーさんが、ガキに後れをとるなんてっ!
と、あたしはよほど凄絶な顔をして睨めていたに違いない。
こういう状況下だというのに不謹慎にも、ロルー刑事が人の表情を見て吹き出した。
「…アリー…。 あなたって火は……っ」
「…あなたも睨んであげましょうか?」
「いや…失礼…」
くっくっくっくっくっ。
…え~~~い、このっ!!
コメント