https://www.youtube.com/watch?v=RcAG2H1kcTo
あぶない刑事 OP
https://www.youtube.com/watch?v=KRKrVHbkF78
あぶない刑事 You’re Gonna Lose Me
あぶない刑事 OP
「…ったく。おっせーなーァ★」
声に出してわめきながら、空になってしまった他人の煙草の箱をクズ籠へシュートする。
だいたい途中から割り込んだ自分が悪いとはいえ、もう11時を回っているのである。
旅行代理店なぞとっくに閉まっているだろうし明日は1番列車で…
いや、切符が取れなくなるかもって云ってたから、2~3便は遅れるのかな?
それにしてもさっさと帰って来て荷物のチェックをすませて眠っておかない事には起きるのが辛い時刻である。
あの固いのがまさかそういう晩に限って酒でも女遊びでもあるまい。
「しょーがねェな。煙草でも買ってくるべ」
ほいほいと立ち上がったところに、 "電報届いたから取りに来い" と門(ゲート)の電話から呼び出しがかかった。
受け取って一旦部屋に戻ってみる。
「ヤハリヒトリデイク スギハラ」
…さすがに起きて待っていた自分が馬鹿らしくなった。
ベッドに腰を降ろす。
だが…
待てよ。
自慢じゃないが人を見る目には自信がある。
確かに杉原はとっつきにくい、何考えてるンだか解らない所のある奴ではあるが、少なくとも一旦約束した事をこういうやり方で取り下げるような男じゃない。
旅行について行く話だって、初めこそちょっと困ったような顔をしてはいたが、キッパリした性格なのだ。本当に迷惑なのなら、そうと断っていた筈だ。
それに…
考えてもみろ、
「ヤハリヒトリデイク」にしろ、持ってくつもりのスーツケースに詰めた荷物は、ここにこうして置いてある。
そりゃもちろん、たかだか1週間の男のひとり旅、金に余裕さえあれば着替えなぞ持たなくとも何とかならんこともないが、しかし。
「…何か… あった、かな…」
上着をひっかけ確信でもあるかのように、秦は部屋の扉を後にした。
暗くてよくは判らないが、しょっちゅう喧嘩沙汰に利用されている、駅までの途中の公園には短い乱闘のあと。
駅員は確かに杉原らしき人物は降りたと言う。(あんなに目立つ雰囲気しょった美青年はそうそういるもんでない)。
急いで宿舎にとって返して部屋をのぞく。
帰って来た気配はないしその後の伝言もない。
アラートへ行って、それとなく情報収集。
「…休暇? 5人もか?」
そして数日前から、除隊されたはずの藤井出の姿を見かけるという。
(( ……… しまった……………!! ))
翌日から秦と杉原の姿も荷物もしっかり基地から消えている。誰もが予定通り北陸に出かけたものと、信じて疑わなかった。
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除隊後の藤井出が入り浸っていたというあたりをシラミ潰しにあたる。3度に1度は腕力に訴え、強引なやり方で秦は奴らの根城をなんとか突き止めようとしていた。
ほとんどが徒労に終わり2日目がむなしく過ぎる。
不精ヒゲがうすくはえそろい睡眠不足が目の下にあらわれはじめる頃、思わぬ方向から『ヨコスカにいる情夫』…の情報が入って来た。
豊富な人脈のおかげでそいつらが麻薬密輸に結びつくセンであることをも割り出して。
友人の一人で今は若手の刑事になってる男に呼び出しをかける。
…それが3日目の晩だった。
「少し、寝ておいたらどうだ?」
4日目の朝、年上のその友人が運転席におさまりながら云う。彼にしても昨夜は事情を説明されるのでほぼ徹夜だった。
「ああ。そうする。」
応えるなり助手席で秦はいびきをかきはじめ、刑事はやれやれと嘆息して無線に手をのばした。
もう、秦ひとりで動ける段階は過ぎたのである。
…
5日目夕刻。警察の組織力は効果をあげた。
地元警察との折衝だの警視庁麻薬捜査班の到着だのを待っていられる筈もなく、秦は周囲の制止を振り切って飛び出していた。
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あぶない刑事 You’re Gonna Lose Me
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