(草稿 13) (一旦完了)。
2017年5月13日 リステラス星圏史略 (創作) コメント (3)
https://www.youtube.com/watch?v=jwu9nqDxZ-o
11 - Actress in Time Layers (Millennium Actress)
まとめました。
⇒http://p.booklog.jp/book/114731/read
リステラス星圏史略 古資料ファイル
3-4-1 『五月病』
今週終了!
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(つくづく、ほんとに好きなんだな、こいつは。)という欄外カキコミあり。
11 - Actress in Time Layers (Millennium Actress)
まとめました。
⇒http://p.booklog.jp/book/114731/read
リステラス星圏史略 古資料ファイル
3-4-1 『五月病』
今週終了!
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目が覚めると祖母様の家だった。
まこに支えられながらタクシーで移動したおぼえがある。
"花邑" (はなむら)と一言いえば地元の運ちゃんはぴたりと着けてくれるから、大きな屋敷というのは便利だ。
そんなとりとめもないことを考えながら、ぼんやりと寝返りをうつお、そこにまこがいた。
(……………着物…………… )
和服姿である。
ぴっしりと細身の躯(からだ)にかたち良くきちきち着付けて、色も柄も、年頃にふさわりからず大層地味なのだろうが。
のぞける白い袂(たもと)よりさらに淡く透ける二の腕が、息をつめるほど華やかだ。
(まこ……)
「あ、起きたか?」
気配を感じてふり返る。手には行平(ゆきひら)。
「まったくもーっ、おまえってば…っ」
窓辺から歩みよってくる、案に相違して、軽い裾(すそ)さばきは縒(よ)れてつまずくような未熟なものではなく。
ゆるやかに膝をつく。
「医者が、言ってたぞ。三、四日絶食状態だって?」
本人が自覚する以上に体はこたえていたのだ。
わはは…とひきつり笑いする貴明の前に、まこは黙って据えてあった盆のうえに鍋敷きをしいて行平をのせ、射し出した。
「おれが創ったから味は保証せんけど」
湯気のたつ黄金(たまご)おじやに色々と具がのっている。
父子家庭で育った人間は必要上、かなり料理がうまいのを、もちろん貴明は知っていた。
合掌して、ありがたく戴く。
「祖母様がよく許したな」
時計を見るととうにHRは終っている頃である。
「許してない。おかげで今日一日この格好だ」
ふてている。
「似合うぞ。」
………ちょっと、怒った。
二度ほどおかわりをして他にも随分食べさせてもらい、やっと人心地がついたところで、ゆるゆるとまこが煎茶をいれる。
「で?」
自分もひとくち含んで、訊く。
「親父が、帰ってこなくなってさあ…」
仕事虫の父と、気をまわしすぎる専業主婦の、それでも、昔は、幸福だったはずの家なのだ。
冬がきたのはいつの頃だったのか。
「海外出張のはずが、親父の従弟(いとこ)が死んでさ。電話をしたら、今、本社に勤務してますっつって…… 東京だぜ?」
まこは、黙っている。
「今度こそ離婚(わか)れる、っておフクロと姉貴がイナカ行っちまって。…ついてかない、ったら、怒って冷蔵庫の中味全部処分してくんだよな。
まぁ、あの女(ひと)もヒステリー起こしてたから…」
「そういう時は、さっさと家(うち)に来い!」
「動く気、しなかったんだ」
さわさわと、離れで女性たちの華やぐ声が聞こえる。
今日は茶道か、三味線のお稽古だろうか。
どこかでヒバリが鳴き…
日舞だったらしい。カセットの、邦楽が流れた。
「あのさっ」
まこが、言う。
笛の音。
「 …あの… 。 だから …」
らしくもなく、言い澱むのを、「なんだ?」と、少し笑いを含んで貴明は尋ねる。
「一度。ちゃんと言っとかなきゃと、思ってたんだけど…その、色々考えて…」
煮えきらない。気づけば、頬が真紅になっている。
「だから……何だよ?」
「色々考えて… おれみたいなのを、って、おまえ、やっぱりヘンだと思うけど… けど、おれも。
おれも、一緒にヘン… みたい、だから……っ」
襟あしからのぞく項(うなじ)まで朱の花に染まっている。
貴明は上体を傾けた。
「…好きだ…って?」
声がかすれる。
のぞきこむと、こっくんと肯く。
仕種が妙に子供のようだ。…たぶん、二人して泣きそうな顔をしてたに違いない。
「 まこ 」
どうしよう。触れたくなるではないか。
そぉっと手をのばす。熱をおびた柔らかい小さなほほ。
静かに、そぉっと、そぉっと…
うぉっとん。
わざとらしく咳ばらいが響いた。
「朝っぱらからお子達は…。そこまでに、して貰いますぇ」
ばばっと、飛びはなれる。貴明など壁ぎわまでへばりついてしまっている。
自分でもよく解っていないまこの方がまだ冷静だった。
「で~………っ! 時間っ!」
そうだった。今日は稽古に参加するように言われて、だから着物になったのだ。
しゃきしゃきと、祖母様は振り返りもせず渡り廊下を去って行く。
「お水を飲んでからお出でなさいよ。ひと舞、御手本にさして貰いますからね」
「へぇいっ!」
「返事!」
「はいっ」
ぱたぱたと、小はぜの光る白足袋が反対側へ急ぐのを見送って、貴明は素直に、地面にめりこんだのだった。
FIN.
(つくづく、ほんとに好きなんだな、こいつは。)という欄外カキコミあり。
コメント
霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2017年5月12日22:17
06
06
9
00☆
霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2017年5月12日23:02
んで。
これの一応「完成原稿」(同人誌発表バージョン)が、あるはずなのですが…
同人誌を盗まれた?あるいは
転居時に引っ越しやさんが紛失した?
疑惑で…(--;)
見つかりませんのです~★(TへT;)★
霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2017年5月12日23:03
06
06
9
06…☆彡
コメント
女の子がやっちゃいけない一番悲しいことは、
男のために頭の悪いフリをする事よ。
エマ・ワトソン
急がずに、だが休まずに。
ゲーテ
返信先: @subaru2012さん
カッシーニが調べたタイタンは茶色か黄色か緑がかった大気だけど、僕にはもっと青みがかっているように見えた。一番最後の青緑色がイメージと見た目に近いと思う。
https
://twitter.com/subaru2012/status/863506191959212036